撮影2日目。公園と映画学校の周辺で、シーン3、6を撮影。今日は、友宏と明が、美紀ちゃんをめぐって、走って決着をつけることを決めるシーン、実際に走っているシーンを撮影。
滝沢日誌で注目の、じいさん登場。今日はマドンナの美紀ちゃんは出演無し。美紀ちゃん役の女の子、カメラマンの男の子が中心に撮影進行。じいさんの出てくるシーンでは、子供たちは急に元気になります。いつもおとなしい子も、急に演技に注文をつけ始めるのが見ていて面白かったです。例えば、「フォッフォッフォッフォ」という台詞が出てくるのですが、その「フォ」が一つ多いか少ないかといったようなことまで、皆が何かしら言い出す始末。
友宏と明が、話し合うシーン。美紀ちゃん役の子の提案で、ジャングルジムのような遊具の上に寝ている二人をとることになりました。今日はその女の子がカチンコを。何度か、「カットがはやい」とNG。その声に対し、「すみません」と真剣な表情で答えていた姿が印象的でした。役を演じているときとは、また違った一面を発見。
同じシーンのあるカット。別の女の子が、つかつかと先生のほうへ。「かばんを置いていないと前のシーンとの繋がりがおかしくなるのではないかと思うんですけど。」と、指摘。この子は、部活などで、出席率が低いため、なんとなく他の友達に溶け込めないでいた子です。今日は久しぶりに来たものの、自分の居場所を見出せないでいて、その様子は、他の子供同士が打ち解けてきた分、際立って、痛々しくさえ見えました。たまにしか顔を出せない自分に重なって見えたためかもしれません。しかし、その発言は、鋭く、まさにその通り、の指摘であり、その子が、台本も読んでいて、その子なりに、取り組もうとしているんだということの、証明のようでもありました。先生は、「確かにその通りだね。でも、まあこのシーンでは、そこまでは映らないから。」とおっしゃいました。その子は、言う事は言って気が済んだ様子、「そうですか」と踵を返し、もとの場所へ戻ろうと一歩、二歩、歩き出しました。先生は、彼女が歩き始めたのをちょっと目で追いました。そして、その背中から、急に皆に聞こえるような大きな声で「鋭い。確かにその通りだ。君は、正しい。」と声をかけました。瞬間、彼女は、皆の注目を浴び、確かにそれを確かめながら、しかし、その視線に気づかないといった風に、うつむいてそのまま自分のポジションへ戻りました。(ビニールテープを持つ役をおおせつかっていたのです。)ささいな事なのですが、こういった瞬間の目撃者になれることが、私にはなによりうれしいことです。尤もこの日も彼女は午前中いっぱいで帰っていきました。
公園での撮影は、お昼をはさむことに。公園での食事となりました。先生は用事でその間に一度映画学校に戻られました。「君たち、公園で遊びまわったりしないように。限りある体力を温存しなさい。」という言葉を残して去っていきました。私は、これを聞いたとき、実は心の中で「いくらなんでも、中学生が、こんな遊具であそばないでしょう。」と思ったのでした。
しかし・・・。ご飯を食べ終えた子供たちは、早速、おおはしゃぎで遊び始めました。なかには、ストップウォッチでダッシュのタイムを計る子さえ。撮影の時とは打って変わって機敏に動いています。でも、なんとなく、制する気にもなれず。あとで聞いたところ、先生は絶対こうなると、見抜いてらっしゃったそうです。先生曰く、「今の子供たちは、(もっと小さいころからもふくめ)そんなに遊んできていないんじゃないかな。」、また「学校の友達とだったら、あんな風には遊ばないかもしれませんね。」とも。脱帽。
公園でのシーンが終わり、走るシーンを映画学校の周辺で撮るため移動。階段を駆け登るシーンや、街中を走るシーンを撮影。私は、荷物番のため残念ながら細かい様子を観察する事はできませんでした。撮影は無事終了。
また、今日は、撮影のお手伝いをしてくださる、高崎さんのお誕生日でした。おめでとうございます。そして暑いなか毎日ありがとうございます。皆でお誕生日の歌を歌って、解散。明日はラッシュをみてタイトル撮影をする予定。
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