2000年/日本/217分 監督/青山真治 出演/役所広司、宮崎あおい、宮崎将

● STORY ●
舞台は北九州。白昼起きたバスジャック事件で唯一生き残った兄妹と運転手・沢井。その後、兄妹は両親を失い、沢井は2年間失踪し、戻ってくると妻は家を出て行っていた。心に傷を負った彼らは、世間から孤立してしまう。やがて、奇妙な共同生活を始めた彼らのもとに兄妹のいとこ・秋彦が加わる。そして、もう一度バスに乗って再生への旅を始める。そんな折、彼らの周りでは女性を狙った連続殺人事件が起こり始める…。

● COMMENT ●
3時間半以上もの映画なのに、まったく退屈を感じる瞬間がないのはどうしてだろう。ストーリー、役者達の演技、カメラワーク、どれも素晴らしいけれど、それらを支えているのは何よりもこの色調だと思う。「クロマティックB&W」という特殊な方法で撮られた淡いモノクロ画面。そこで人物が動いているというだけで魅了されてしまう。運転手と兄妹が過ごした美しい「家」、ゆるやかに走り出した「バス」、イメージが目に焼き付いて消えない。

2000年 カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞&エキュメニック賞受賞

ゲストトーク 青山真治監督、役所広司氏