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- 白鳥:柄本さんは今日の『セーラー服と機関銃』もそうですけど、やっぱり長いお付き合いですが、私の強烈な記憶では相米さんがプロデュースをやった『空がこんなに青いわけがない』という、非常に珍しい映画で、
- 柄本:へへへへへ(笑)。
- 白鳥:初監督をなさって、実はその現場に私も相米さんに口説かれてお付き合いしたんですけれども、プロデューサーとしての相米さんはどんな感じだったんですか?
- 柄本:相米さんが僕のとこ脚本持ってきたんですよね。サラリーマンの方が書いたんですけどね、田村和義っていう。お前これ読めって言われて読んだんですよ。そしたらすっごい面白くてねぇ。ビール飲みながら読んでたら、ビール飲むのが止まりましてねぇ。そいで読み終わって相米さんとこ電話したんですよ。「どうだった?」っていうから、「これすっごい傑作ですよ。だけど、こんなの映画にしても観る人いないよっ」て言ったんですよ。
- 白鳥:(笑)。
- 柄本:そしたら「お前これだったら誰が監督がいい?」って言って、ちょっと会おうって、そしたらお前やれっていうことになってアレしたんだけど。それであの、クセのある脚本ていうのかな、みんなが面白いっていう脚本じゃなかったんですよね。で、僕が監督になることになって、脚本がみんなに渡るわけですよね。そうするとみんな読み終わってさぁ、「あー・・・」っていう、なんかとにかく無言なんですよ。
- 白鳥:(笑)。
- 白鳥:柄本さんは今日の『セーラー服と機関銃』もそうですけど、やっぱり長いお付き合いですが、私の強烈な記憶では相米さんがプロデュースをやった『空がこんなに青いわけがない』という、非常に珍しい映画で、
- 柄本:へへへへへ(笑)。
- 白鳥:初監督をなさって、実はその現場に私も相米さんに口説かれてお付き合いしたんですけれども、プロデューサーとしての相米さんはどんな感じだったんですか?
- 柄本:相米さんが僕のとこ脚本持ってきたんですよね。サラリーマンの方が書いたんですけどね、田村和義っていう。お前これ読めって言われて読んだんですよ。そしたらすっごい面白くてねぇ。ビール飲みながら読んでたら、ビール飲むのが止まりましてねぇ。そいで読み終わって相米さんとこ電話したんですよ。「どうだった?」っていうから、「これすっごい傑作ですよ。だけど、こんなの映画にしても観る人いないよっ」て言ったんですよ。
- 白鳥:(笑)。
- 柄本:そしたら「お前これだったら誰が監督がいい?」って言って、ちょっと会おうって、そしたらお前やれっていうことになってアレしたんだけど。それであの、クセのある脚本ていうのかな、みんなが面白いっていう脚本じゃなかったんですよね。で、僕が監督になることになって、脚本がみんなに渡るわけですよね。そうするとみんな読み終わってさぁ、「あー・・・」っていう、なんかとにかく無言なんですよ。
- 白鳥:(笑)。
柄本:そいでこっちも初めての監督だから、被害者意識じゃないけど、あるとき相米さんに電話したんですよ、「これさぁ、この脚本、みんなわからないじゃない」って。そしたらあのオヤジがねぇ、また、いいこと言うんだよねぇ。「お前バカヤロウ、みんなが面白いと思って、みんなが面白がって創る映画の、どこが面白いんだ。いろんなヤツがいるから面白いんじゃねぇかよ」って、当たり前なこと言うのよねぇ。あ、どうもすいませんって。プロデューサーという仕事が僕はどんな仕事かよくわからないけども、結局あかねさんをよんだり、カメラマンはジミーですか。
- 白鳥:そうでしたねぇ、ジミーでしたねぇ。
- 柄本:柳島(克己)、あの北野(武)組のねぇ。それとか、あと配役としても三浦友和さんとかよんで。まぁ、僕も意見言うんだけども、監督初めてだったし、わからないから、そうやって集められたんだけど。で、できあがって、まだ客観的になれないんですけども、んーなんだろうなぁ、相米さんにやられたっていう、意味は変なんだけど、いい意味にも悪い意味にもなんかそんなことを思いますねぇ。
- 白鳥:自分の映画を撮るときにはあそこまで細かく気遣いしないんじゃないかっていうぐらい、いろんな人を集めてきたり、それも全部自分がいいと思う。確信犯でしたねぇ、この脚本でこれを柄本さんに撮らせたっていうのは。
- 柄本:まぁ、なんでボクんとこにきたのかよくわかんないけど。それと、ちょっと腹立つのが、早く撮れって言うんですよ。
- みんな:(笑)。
- 柄本:「早くやれよほら、早くやっちゃえよ」って言うんですよ。これどう? 榎戸さん。
- 榎戸: 僕なんかも自分で監督したときに「お前ほんとにグズだな」「早く、なんでそんなにこだわってるんだ」みたいなことをずいぶん言われましたけど、けっこう本人はせっかちなところありましたね。ただ、自分の現場ではそういうものを絶対出さないというか、熊谷さんのお話じゃないけども、わりとこう、じっと見てるっていうか、監督としての自分がもう一つどっかにあるみたいなのはなんとなく感じましたね。
- 白鳥:自分の映画はどうしてゆっくりやってたんですかねぇ。
- 榎戸:どうなんですかねぇ? 熊谷さん。
- 熊谷:相米さんはちょっと優しいところがあるから、全部の気配りしてたんじゃないですかねぇ。急ぐと、まぁ俳優さんも急いでくるだろうし、スタッフも急ぐと、どっちかっていえば雑になってくるだろうし。それで黙って見守って、お前ら好きにやれっていうカタチで。そういうところやっぱり構えてた人なんじゃないですかねぇ。
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